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会社情報(設立にあたり)

いま、日本はあらゆる面で転換期に差しかかっています。経済格差の広がり、ワーキングプアの増加など、社会基盤が大きく揺らぎ、ひとびとは途方にくれ自信を失いかけています。そうした社会のひずみは、ストレートに子どもたちにも届いています。他人や社会への無関心、将来に対する不安、物質的な欲望のみの追及、こんな状況に誰もが不安を抱き、心を痛めています。

わたくしたち大人はどうしたらいいのか道筋がみえません。子どもの教育は、家庭・学校・地域の三つが共にバランスよく協力しながら行うのが理想とされています。ところがいまは、学校は勉強以外の面にはタッチしないようにしており、地域社会は子どもたちを支える機能を失っているのが実情です。教育の責任が母親と父親にのしかかり、あちらこちらでその重さに対する悲鳴が聞こえます。このようにバランスを失くした社会が子どもたちに与える影響は測り知れません。子どもたちの未来を明るいものにするためには、この三者の絆を再生することがなによりも必要と感じます。

わたくしたち絵本塾出版は、絵本を通して社会と子どもたちとの絆をつないでいくことをめざしています。家庭や学校での読み聞かせ、地域での朗読会の開催など、絵本を窓口にして、子どもたちに他の生き物や他の人々と共に生きることの大切さ、自分の頭で考えることの楽しさ、そして未来に向けて夢を見る力を育んでもらいたいと願っています。

始まりは小さな種にすぎませんが、これが徐々に大地に根を張り、やがては豊かな実を稔らせる、そういう光景を夢にみながら、いま、出発点に立っています。

株式会社絵本塾出版

 

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「活字の海で」 64歳、デジタル絵本に挑む 出版とDVD化を連動

日経新聞2009年11月22日記事より抜粋

「絵本出版の新しいビジネスモデルを構築したい」。そんな野心を抱いた出版流通のプロがいる。図書館流通センター(TRC、東京・文京)の元社長で、今年3月に絵本塾出版(東京・新宿)を設立した尾下千秋社長(64)だ。絵本作家でもある尾下氏は、DVD化やデジタル配信を前提とした絵本作りに取り組み始めた。

「突然、絵本のあらすじが泉のように噴き出した」。2003年4月、図書館向け出版物流通などを手掛けるTRCの社長を退任した直後のことを尾下氏はこう振り返る。「高校時代には文章をよく書いていたが、書かれた本を売る立場になり、書くことは封印していた」と同氏。ビーゲンセンのペンネームで最初の絵本『にじになったさかな』(永井郁子絵、汐文社)が出たのは07年のことだ。

TRCの社長退任後も子会社の役員を続けていたが、「子どもたちの未来のためにも、絵本を通して社会と子どもたちの絆を」と会社設立を決意した。絵本塾出版として、まず4月にビーゲンセン作、つまり自作の『なんのいろ はる』(永井郁子絵)を発行。「はる」から「ふゆ」までシリーズ4巻は重版間近で、上々の滑り出しを見せる。

9月には本社ビル地下にある「絵本塾ホール」のこけら落としイベントとして、絵本ライブを催した。『にじになったさかな』の絵をスクリーンに映し出し、ジャズシンガーが文章を朗読。マリンバとピアノによるオリジナル曲の生演奏を加えた。「読み聞かせとは違った形で絵本の魅力を広く伝えたい」と、尾下氏は力を込める。

同社が事業の柱に置くのは、こうした絵本ライブの開催とデジタル化。「まず絵本を刊行し、オリジナル曲で絵本ライブを実施。その映像とスタジオ録音を重ねてDVD絵本を制作する」。これが尾下氏が描く道筋だ。絵本のDVD化には著作権処理の問題が横たわるが、作者や画家からあらかじめデジタル化の許可を得た上で絵本作りを進める点が新しい。インターネットで配信する事業展開も視野に入れる。

2010年には、自作以外の絵本12点とDVD3点の製作を計画し、公募による「ヒューマンストーリー絵本大賞」(仮称)の創設も検討中だという。異色の作家兼経営者が打ち出す企画が注目を集めそうだ。

(文化部 神谷浩司)

 

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